2013年10月14日月曜日

公正証書遺言 その2

◆公証人に依頼

遺言があれば、こうした面倒は回避できます。遺言の内容は法定相続よりも優先され、事実婚のパートナーや息子の妻など、法定相続人でない人にも財産を引き渡すことができます。

遺言の形式で一般的なのは、公正証書遺言と自筆証書遺言です。自筆は費用がかからず、内容の秘密が保てますが、紛失や改ざんの恐れがあるほか、記載内容に不備が生じる可能性もあります。一方、公正証書は費用がかかりますが、こうした心配はありません。

公正証書遺言は、公証役場(全国287か所)で作成してもらえます。遺言する本人が内容を口述し、公証人が書面に(公正証書)に記述します。公証人は法務大臣が任命する公務員で、裁判官や検察官などとして司法の場で職務経験がある専門家なので、複雑な内容でも不備なくまとめてくれます。

作成の前に、必要書類を自分でそろえます。また、作成の際には、2人以上の立ち会いが必要です。遺産の相続人など、遺言の内容と利害関係のある人でなければ、友人や知人でもよい。公証役場でも紹介してもらえますが、証人1人あたり5000円程度の謝礼が必要です。

出来上がった遺言の原本は、半永久的に公証役場で保管するので、紛失や改ざんの心配がありません。原本を写した正本と謄本は、遺言者に渡されます。作成後の訂正や取り消しもできます。

公正証書遺言の作成手数料は、全国共通の公定価格で、例えば、遺産の額が1000万円超3000万円以下なら、手数料は2万3000円、3000万円超5000万円以下なら、2万9000円などとなっています。実際の費用は、遺産を引き継ぐ人の数や各種の加算により異なるので、公証役場で確認して下さい。

※相談は無料
公正証書遺言についての相談は、公証役場で無料で応じてもらえます。五反田公証役場(東京都品川区)の公証人、川崎和彦さんは、「一般的には、公証役場に2、3回来てもらい、早ければ2週間〜1か月で作成できる」と話しています。各地の公証役場の所在地は、日本公証人連合会のウェブサイト(http://www.koshonin.gr.jp/)で調べることができます。

(完)

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