2014年9月27日土曜日

相続税 上

来年1月から相続税の制度が改正され、納税が必要になる人は増えそうです。「自分も払わなければいけないのか」、「どれくらいの納税なのか」と不安を抱く人も多いでしょう。制度改正で何がどう変わるのか。「上」「下」の2回に分けて考えます。

今回の主な改正は、「基礎控除の縮小」「税率の一部引き上げ」「未成年・障害者の税率控除拡大」「小規模宅地等の特例の適用面積拡大」の四つ。多くの人に関わりがありそうなのが、基礎控除と小規模宅地等の特例の改正です。

基礎控除は、相続税を計算するときに、相続財産の総額から差し引くことができます。現行では5000万円+1000万円×法定相続人の数。例えば、妻と子供2人がいる場合は、8000万円となります。これを相続財産から差し引けるので、財産が8000万円以下なら相続税の申告も納税も必要ありません。

これが来年1月からは、3000万円+600万円×法定相続人となります。基礎控除は、妻と子供2人で4800万円に減る。つまり、相続財産が4800万円を超えれば、納税しなければいけなくなるのです。財務省の試算では、これにより、相続税を納税する人は現在の4%程度から6%程度まで増加します。特に土地の評価額が高い都市部に持ち家がある場合には、納税する割合は高くなりそうです。

ただ、課税強化ばかりではありません。亡くなった人が住んでいた宅地には、配偶者や同居の子供などが相続する場合に評価額を8割まで減額する「小規模宅地等の特例」があります。改正ではこの適用範囲が、現行の「240平方メートルまで」から「330平方メートルまで」の拡大されます。亡くなった人が要介護認定を受け、自宅を離れて老人ホームなどに入所していた場合も、特例を利用できます。
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