2013年9月30日月曜日

相続対策 生命保険で

2015年から相続税が課税強化されるのを控え、生命保険を活用した相続税対策に関心が高まっています。節税効果に加え、保険金受取人を指定できるので遺言書代わりにもなります。

◆非課税枠
生命保険の死亡保険金は「みなし相続財産」とされ、相続税が課税されます。ただ、財産を相続する権利を持つ人である「法定相続人」1人につき500万円の非課税枠が設定されており、相続税がかかりません。例えば、法定相続人が妻と子供2人であれば、計1500万円までは非課税となります。受け取った保険金は葬儀代などに自由に使えます。契約時に一括して保険料を支払う「一時払い終身保険」などを利用し、預金でこの保険に加入する人も多いといいます。いわば、預金から非課税枠のある保険への振り替えです。
受取人を指定できるので、遺言書代わりにもなります。財産の配分を巡って家族が争うような事態を防ぐことにもつながります。
ただし、死亡保険は年齢や病歴などによっては、加入できないケースもあるので注意が必要です。

◆生前贈与
また、生保各社が力を入れているのが、贈与税の非課税枠を活用した相続税対策です。
生前贈与では、一度にまとまったお金を贈与すると、贈与税がかかりますが、年間110万円までは非課税となります。子供名義で終身保険や養老保険に加入し、この非課税枠の中で、保険料を実質的に親が負担するというものです。
生前贈与によって、親の財産を減らしていけば、結果として相続税を減らすことにもつながります。子供名義の銀行口座に現金で貯金していても、親が管理していると見なされると課税されてしまうケースもありますが、生命保険ではそうしたことも防げます。
子供にとっても、親が保険料を負担してくれることで、その分を貯金に回したり、住宅費や教育費などに充てたりすることもできます。
注意点もあります。年間110万円以下なら贈与税の申告は必要ないですが、贈与の事実を明確にするため、保険料は、親の銀行口座から直接引き落とすのではなく、契約者である子供の口座から払うなどの必要があります。

※相続税は、2013年税制改正で15年1月から増税されることが決まりました。
具体的には、相続税がかからない基礎控除額が現行の「5000万円+1000万円×法定相続人数」から、「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられます。例えば、夫が死亡した時に、法定相続人が妻と子供2人の計3人であれば、基礎控除額は8000万円から4800万円に4割も縮小されることになります。また、最高税率(6億円超)も50%から55%に引き上げられます。
これにより、相続税を納める件数の割合は、現在の4%台から6%台になる見通しです。
ただ、地価の高い東京都内などでは、富裕層ではなくても、一軒家やマンションを持つ人が納税するケースが増加するとみられます。税理士法人レガシィは、都内では、割合は18.9%に上がると試算しています。

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