国土交通省は19日、2013年の基準地価(7月1日時点)を発表しました。東京、大阪、名古屋の3大都市圏の商業地はいずれも5年ぶりに上昇に転じ、名古屋圏では住宅地も5年ぶりに上昇しました。全国平均でも住宅地、商業地ともに下落率は4年連続で縮小し、全国的に地価の下げ止まり傾向が続いています。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果などで不動産市場に資金が流入しており、底入れの兆しが強まっています。
全国平均では住宅地が前年比で1.8%、商業地が2.1%下落しました。住宅地は22年連続、商業地は6年連続で値下がりしました。3大都市圏の平均は、住宅地が0.1%下落しましたが、商業地は前年の0.8%下落から0.6%上昇に転じました。
大都市圏の商業地が上昇した背景には、景況感の改善や、住宅ローン減税などの施策により、戸建て住宅や賃貸マンションの建設増加があります。企業が東日本大震災後、防災を重視して、より耐震性の高い新築・大規模オフィスに移転する動きも活発になっています。
地方圏は、住宅地で2.5%、商業地で3.1%の下落で、大都市圏に比べ回復は鈍いものの、下落幅は縮小しています。
全国で前年と比較できる2万666地点のうち、上昇は2925地点と、12年の658地点から約4.4倍に増えました。
全国の地価トップは、商業地が8年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」(1平方メートル当たり2040万円)、住宅地は2年連続で「東京都千代田区六番町6番1外」(同288万円)でした。
被災地では地価の二極化が一段と進み、集団移転先の高台などが上昇する一方、復興が遅れている沿岸部など多くの地域では下落が続いています。
※基準地価とは
各都道府県が不動産鑑定士の評価を参考に毎年7月1日時点の地価を調べ、国土交通省がまとめて公表しています。2013年の調査地点は2万1989地点。国交省が毎年3月に公表する公示地価(1月1日時点)とともに土地取引の目安となります。国税庁の「路線価」(同)は、相続税や贈与税の算定基準となります。
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