台風や局地豪雨に伴う浸水被害への備えは、マンションにも必要です。全戸へ配電している電気室など、1階や地下には重要な施設が多い。土のうを積む作業などは人手が要るので、住民らの役割分担を決めておきたいものです。
東京都中央区の12階建てマンションの管理組合では、吸水ポリマーが入っている「吸水性土のう」約80個を8年前に購入し、扱いは管理人に任せていました。管理会社との取り決めでは、管理人が吸水性土のうを積んで守るのは、エレベーターと1階の電気室だけです。
豪雨による災害が全国で頻発する中、今年、管理組合では、住民も参加する浸水対策をマニュアルに追加する作業を始めました。災害時、地下の受水槽と機械室も守りたいからです。
電気室や受水槽が浸水すれば、ライフラインが絶たれます。浸水対策を決めておくことは必要です。
有効なのは止水版です。東京都文京区のマンションは入り口が地下にある構造で、施工時から止水版を備えてあります。ただ、止水版を建設後に配備するのは一般的ではありません。
最近、注目されているのが、冒頭のマンションも配備した吸水性土のうです。災害時には、水槽で水を吸わせ、ふくらませて使います。
メーカーは数社あります。水処理メーカー「クリアーシステム」(山口県宇部市)の「水ピタ」は水に約3分浸せば140グラムの平たい袋(50×40センチ、厚さ3ミリ)が、重さ10キロ(厚さ11センチ)になります。15〜25キロになるタイプもあります。
比重の関係で大量の水が押し寄せると浮き上がるという弱点がありますが、同社ではあらかじめ砂を入れた、浮かないタイプも販売しています。
1個1000円程度で再利用もできないため割高ですが、同社の担当者は「都会には土を詰めた土のうを保管する場所がない。袋だけ保管するとしても、土を詰める手間を考えれば、吸水性土のうのほうが安上がり」と話しています。
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信和不動産株式会社
梅ヶ丘店 三浦 祐一
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