国税庁が1日発表した2014年分の路線価は、東京都心の湾岸エリアで高い伸び率を示し、20年東京五輪・パラリンピック開催の影響の大きさを印象付けました。商業地でも「アベノミクス」効果などで再開発が活発化し、路線価が上昇。被災地では、避難者の住宅需要の高まりが目立ちました。
◆12%超も
東京湾の埋め立て地にある中央区の湾岸エリアは、勝どき周辺で12%超の上昇率を記録しました。五輪の選手村予定地(晴海)から眺めると、超高層マンションが立ち並び、新たな建設現場も目に付きます。
晴海で住友不動産は開発中の「ドゥ・トゥール」(52階、来年9月完成予定)。5月に先行販売した300戸の中心価格帯は7200万円台と、周辺よりやや高めながら、8割以上が売れました。
◆地元産業の復調
東京以外の大都市でも、路線価が軒並みアップしました。
都道府県庁所在地の最高路線価でトップの上昇率(10.0%)記録したJR名古屋駅では、自動車産業の復調やアベノミクス効果もあり、高層ビルの建設が相次いでいます。
27年の品川—名古屋開業を目指すリニア中央新幹線でも、周辺地下街を含む大規模な再開発を控え、地域の期待感も高まります。
◆被災地は
22年ぶりに路線価が上昇した福島県では、東京電力福島第一原発事故の避難者による住宅需要の高まりが上昇の一因になっています。
事故後、約2万4000人の避難者が移ってきたいわき市。1990年頃から分譲された「いわきニュータウン」は売れ残っていた約290戸が昨年までに完売しました。新築物件が少なくなり、中古物件を探し求める避難者も多いといいます。
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