◆団体が条件
長引く低金利で、銀行のローン金利引き下げ競争も限界にきています。そこで、各行は特約サービスなどで利用者を獲得したい考えです。
通常、銀行住宅ローンを借り入れると、団体信用生命保険(団信)にも加入することになります。利用者がローン返済中に死亡しても、保険会社が利用者に代わってローン残高を支払い、返済が全額免除されます。一家の大黒柱に突然の不幸があっても、返済は心配ないというわけです。別途、保険料を払う必要はありません。
◆金利上乗せ
最近はこれに加え、死亡にまで至らなくても、がんなどの大病で働けなくなると、残高がゼロになる特約が増えてきました。対象の病気は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の「3大疾病保障」に、高血圧症、糖尿病、慢性賢不全、肝硬変、慢性膵炎を加えた「8大疾病保障」です。こうした疾病保障は、多くの銀行が取り扱っています。
ただ、特約を利用すると、金利が上乗せされます。上乗せ分は特約内容によって変わりますが、残高ゼロになるサービスでは、0.3%程度上乗せされるケースが多いようです。3000万円を金利0.775%(変動)、期間30年で借りた場合、特約で金利が0.3%上乗せされると、月の返済額は4000円程度増えます。
また、返済全額免除には、1年間程度は病気によって働けなくなるという条件をつけているところが多いです。ただ、三井住友信託銀行やりそな銀行などは、初期でも医師にがんと診断されれば残高がゼロとなります。ネット専業の住信SBIネット銀行は、就業不能を条件としていますが、特約を付けても金利を上乗せしません。
りそな銀行が第一生命保険と組んで2013年10月から始めた「団信革命」は、3大疾病に加え、「恒久的に心臓ペースメーカーを装着」「直腸を切断し、人工肛門を付けた」「両耳の聴力を完全に永久に失った」など、16の状態や要介護2以上の状態になっても残高がゼロになります。
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