屋根から流れる雨水をためる家庭用の雨水タンク。たまった水を庭木の水やりなどに使えば、節水や資源の有効利用につながり、災害時にトイレなどに使う非常用水の一つにもなります。昨年には雨水利用を後押しする法律も施行され、関心が高まっています。
東京都武蔵野市の男性(67)は2年前に家を新築した際、幅1メートルほどの隣家との境界スペースに雨水タンクを設置しました。プラスチック製で幅約70センチ、高さ約1メートル、奥行き約30センチ。雨どいと直結しており、約120リットルの雨水をためられます。家を施工したアキュラホーム(東京)が取り付け、総費用は約5万5000円でした。
ためた水は、男性の妻(61)がガーデニングや玄関回りの掃除などに使う。タンクが満杯になれば、2、3日分の水まきができるといいます。
雨水タンクは、サイズもデザインも様々なタイプが販売されています。
パナソニック(大阪)の「雨水貯水留タンク レインセラー」は、丸みを帯びた形状が特徴で、雨どいの色に合わせて計5色の取水用器具をそろえています。
インターネット通販サイト「エコショップ節水村」では、国内外製の雨水タンク約150種類を取り扱っています。容量は50〜1000リットル、素材もステンレス製や陶器製、ウイスキーだるを再利用したユニークなものまで豊富です。雨どいから取水する際に、砂やほこりなどの汚れを取り除く機能を備えたものがあります。
容量が200〜300リットルで、3万〜5万円程度のプラスチック製が売れ筋です。
また、東京都墨田区や武蔵野市、福岡市など、雨水タンクの設置費用を助成している自治体もあり、購入前に確認してみて下さい。要件や補助率は様々ですが、武蔵野市の場合、容量150リットル以上のタンクを設置する際に、本体価格の2分の1(上限5万円)を助成します。
さらに昨年5月、水資源の有効利用を進めることなどを目的に、雨水利用推進法が施行されました。同法では、雨水タンクの設置費用を助成する自治体に対して国が財政支援に努めることなどが盛り込まれ、一層の普及が期待されます。
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